大西　浩之

　高知大学創立７５周年を迎えるにあたり、お慶び申し上げます。

　私が在籍していたのは、創立７５年のおよそ半分目くらいの時期です。時代の変遷と共に、法人化や学部・学科の改組・新設を経て、高知大学も大きく進化しており、出身学科の名前が発展的に変わったことも相俟って、学生当時の古き良き昭和の時代を懐かしむと同時に、平成・令和と順次新しい風が吹きこまれていると実感しております。四国にあっても、時代に対応し、地方大学ならではの発展を遂げてきていることを卒業生の一人として大変頼もしく嬉しく感じております。

　私は、心弾ませいざ入学してみると、得意科目と思っていたのに学科の中には上には上が居るものだと痛感すると共に、それはさておき、部活動やアルバイトや交友にも励み、恩師や友人にも恵まれ充実した自由な学生生活を送ることができました。今思い起こせば、学生時代にやっておけばよかったと思うことも多いのですが、当時は非常に満喫しておりました。

　土佐が生んだ英雄：坂本龍馬に影響を受け、鏡川・浦戸湾・桂浜など風光明媚で自然豊かな高知で学生時代を過ごせたことが、後の人生に大きく関わっております。龍馬の没した歳になって彼ほどの活躍ができない自分を大きく見直して（龍馬と対等などおこがましいですが若気の至りで）化学という専門を生かしつつ知財という全く未知の業界に転職し、現在に至っているのも、高知大学で培い、恩師や旧友と繋がり、その後の人生で活かせた経験があってこそだと思い、その全てに感謝の念でいっぱいです。

　「四十にして惑わず、五十にして天命を知り、六十にして耳順」と申しますが、人生１００年時代と言われるようになってきましたので、還暦という歳よりも１０歳は若いという気持ちで（驕り高ぶらず、謙虚な気持ちで）、まだまだ知天命という心意気をもって、母校高知大学の発展を見守ると共に、少しでも貢献したいと思い、メッセージをおくらせて頂きます。

　なお、私が居ります東京の同窓会（関東支部）では、ＯＢの先輩方・同級生・後輩と繋がっており、高知大学の縦・横の連帯が広がり、公私にわたり関わることができております。同じ大学で学び青春を過ごした共通の想いを、世代・時代を超えて感受できております。これもひとえに創立７５年という高知大学の歴史がなせる業だと思います。

　最後になりましたが、創立８０年・９０年・１００年に向け我が母校高知大学の益々の発展と共に、学生の皆様の充実した学生生活と、教職員の皆様のご活躍とを祈念致します。